子育て支援の側面からの児童虐待防止策について〈令和4年第3回 県議会定例会〉 | もちづき 聖子 立憲民主党 神奈川県議会議員(保土ケ谷区)

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子育て支援の側面からの児童虐待防止策について〈令和4年第3回 県議会定例会〉

2022年09月22日

【質問要旨】

1 いきいきとした社会の実現に向けた取組について

(1) 子育て支援の側面からの児童虐待防止策について

子育ては、子どもを産んだ人間が一人で担えることではないので、子育て支援が大切であるが、支援がうまく届かない、受け取れない人のところで、虐待事案となって表面に出てきてしまうのではないか。

どこにもつながっていない人を見つけ、一人で子育てをしようとしないで、社会が子どもに対して幼少時からしっかり目を離さず、見守る体制があることを伝え、実際に利用してもらうことで、結果として児童虐待の芽を摘むことにつながる。

そうした視点から、子育て支援の一環として、アウトリーチ事業の増強、一時預かり事業の利用促進及び利用補助などは、児童虐待防止策として必須だと考える。

県は、そうした現場を担う市町村をしっかりと支援していくべきである。

そこで、子育て支援の側面からの児童虐待防止策の推進について、どのように取り組むのか、所見を伺いたい。

【知事答弁】

望月議員の御質問に順次お答えします。

いきいきとした社会の実現に向けた取組について何点かお尋ねがありました。

まず、子育て支援の側面からの児童虐待防止策についてです。

  児童虐待は決して許されるものではありません。悩みを抱える家庭に直接出向いて支援を行う、いわゆるアウトリーチや、一時預かり事業などの子育ての場を通じて、児童虐待を未然に防止することは、大変効果的です。

  子育て支援の実施主体である市町村では、乳児のいるすべての家庭を訪問し、状況を把握する「こんにちは赤ちゃん事業」を実施しています。

  また、「地域子育て支援拠点」でも、子育て家庭に身近な集会所などへ出向いて、親子の相互交流や相談を行っています。

  これらの取組により、児童虐待の兆候が見られるなど、支援が必要と判断した場合には、保健師などの専門職による家庭訪問や、児童相談所との連携など、ケースに応じた対応をしています。

  県は、こうした市町村の事業に対して、経費の一部を補助し、支援しています。

  長引くコロナ禍で、外出や交流の機会が減少し、保護者が不安や孤立感を募らせ、児童虐待のリスクが高まることが懸念されています。

  そこで県では、6月補正予算にて、子育てに不安を抱える家庭へのヘルパー派遣などの支援や、一時的に保育施設へ預ける際の、利用者負担の軽減を図る事業などを開始したところです。

  また、国でも、子どもに関する様々な情報やデータから、支援が必要な子どもの見える化を図り、個別の支援につなげる取組を検討しています。

  県と市町村は、会議などの場を通じて、国の動きや県の取組、さらには市町村の子育て支援の側面からの虐待防止施策を、共有していきます。

  こうした取組により、市町村とともに、児童虐待を未然に防止し、すべての子どもが幸福で健やかに成長できる社会の実現に努めてまいります。

【再質問】

アウトリーチ事業については、国の検討を待っている間にも、児童虐待は増え続けていく。そこで、県内外で市町村やNPO団体が既に行っているアウトリーチの現状と課題を把握し、市町村と情報を共有するなど、広域自治体である県として、アウトリーチ事業の促進のために準備をしていくべきと考えるが、知事の所見を伺う。

【知事答弁】

県内外の市町村やNPO団体が行っている、子育て家庭へのアウトリーチの取組については、国が、有識者検討会などで、全国の情報を収集し、提供しています。

例えば、NPO団体が子育て家庭を訪問して食品を提供する「子ども宅食事業」を通して、子どもの状況等を把握するという取組がありますので、県は、情報を市町村に提供していきます。

また、県では、私を本部長とする「生活困窮者対策推進本部」で、「子ども食堂」のネットワーク化を進めていますので、この取組の中で、NPO団体などが実施しているアウトリーチ事業を情報収集し、現状と課題を把握してまいります。

【要望】

かながわグランドデザイン第3期実施計画には、2018年の県民ニーズ調査において、「安心して子どもを生み育てられる環境が整っていること」に関して満足と答えた人は6人に1人、その実績をもとに、2022年までに5人に1人にしたいという目標を立てています。今年は2022年、その数字がコロナやその他の社会情勢によりいっそう低くなることを心配しています。  

知事、一度ぜひ子育て支援センターにいらしていただき、そこに来る親子や子育て支援者と対話をしていただけませんか。365日24時間体制で育児をしていくには、リフレッシュやレスパイトが必要です。また、妊娠、不妊、出産、育児などを機に不安や孤独を感じ社会とつながりが遠くなっている人に、アウトリーチや一時預かり事業でつながっていこうと、最前線に立ち、取り組んでいる市町村や団体をいっそう後押しし、その取組を県内に広めていただきたいのです。そして、孤独や不安を感じ育児をしている人を見つけ、支援につなげてほしいのです。 

5人に1人しか満足できない状況では、児童虐待の根絶は、果てしなく遠いものと感じます。誰も、虐待などしたくない、されたくないです。課題は見えています。育児をしている家庭が孤立しない社会に、全庁をあげて連携して、神奈川から、変えていただきたい、そのことを申し上げることが私のここにいる理由です。早急な対応を求めます。

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